「ねぇ、冒険行かない?」唐突な私の一言から、私たちの高校生活最後の夏が始まった。それぞれに親を説得して、2泊3日の自由を手に入れた。―私たちだけの時間―限られた行動範囲と、限られた移動手段と、限られたお金と、限られた時間の中に、なぜだか無限の可能性を感じた。どこまでも行ける気がした。どこまでも行きたいわけじゃなかった。でも、私たちは、どこまでも、行ける気がしていたんだ。何処かに行く必要なんてないような、いつもと変わらない話をして。いつもと違う景色の中に生きてみる。「大人になったらまた来ようね。」誰かがそう言った時、私たちの冒険は、一気に大きな意味を持った。気がした。―大人になっても、仲良いのかな?―小さな疑問だった。でも、ふと思ったんだ。こんなに楽しくて、こんなに笑い合って、一緒に遠くに来ている相手の事を、私たちは何も知らない。知らないから、仲良くいられたのかもしれない。だから……「話そうよ、青春みたいな話を!」